プリンスエドワード島を含むアトランティック・カナダのレストランや一般家庭でロブスターを調理する場合、基本的に生きたままゆでます。ものすごく大きなお鍋に熱湯を沸かして塩を入れ、つめをおさえているゴムのバンドを取り外し、ロブスターの頭の方からお鍋に入れます。ゆでる時間はそれぞれの家庭やレストランで違いますが、4匹のロブスターでだいたい15-20分ぐらいです。島のカリスマ・シェフのレシピは
こちらです。ゆでたてもおいしいですし、冷蔵庫で冷やしてから食べてもおいしいです。
この「生きたままゆでる」という方法に関して残酷だと主張する人は少なからずいます。この件に関して10年以上も研究している
北アイルランドの学者さんによると、非常に高い確率でロブスターも「痛み」を感じるであろうとのことです。
今回
スイスではロブスターなどの甲殻類が痛みを感じるという説に基き、生きたままロブスターをゆでることを禁止しました。ロブスターを気絶させてからゆでるか、包丁ですばやく頭を切って痛みを感じる時間を最短にするなどの方法をとらなくてはなりません。輸送中もロブスターが生息している環境に近いものにしなければならず、氷水に漬けた保存法も同時に禁止されます。アトランティックカナダからフランス、ドイツ、イギリス、スペインなどヨーロッパ諸国へ輸出していることもあり、この状況がヨーロッパ全土に広がると、今後のロブスター輸出に大きな影響を与えそうです。最近は中国への輸出が急激に伸びていることもあり、現時点では大きな脅威とはなっていないようですが、どうなることでしょう。
日本でも関心が高いようで、
読売新聞など多くのメディアが報道していますね。
食材を調理するにあたって何が残酷か残酷でないかを判断するのはとても難しいですが、調理したものは大切においしくいただきたいと思います。