カナダでは今日から暦の上では春です。体感温度がマイナス13℃と寒い朝ではありますが、庭にやって来るアメリカコガラやフィンチなどの小鳥の数が急激に増えたような気がします。
さて、週末にハリファックスで撮った写真の続きです。
1917年12月6日の朝、ハリファックスの港で2隻の船が衝突し、歴史に残る大爆発が発生しました。当時は第一次世界大戦の最中で、アメリカとヨーロッパの中継点として絶好のロケーションであり、かつ不凍港のハリファックスには軍需品などを積み込んだ船が多数往来していたそうです。港湾内はいつも混雑していて、右側航行のルールも無視されがちでした。そして起こるべくして起こってしまったのが、この大爆発でした。この衝突の影響で船に積まれていたベンゾールが引火して、同じく船に積んであった爆薬に燃え移りました。その船が黒い煙を上げて燃えながらハリファックスの埠頭に流れ着き、衝突から20分後に大爆発を起こしたのです。最悪なことには、たくさんの人が燃えている船を見るために波止場に集まってきていました。爆発により1,600人もの人が即死しました。不運は重なり、その日の夜に大寒波が町をおそい、倒壊した家屋の中で凍死された方も多く、亡くなった方は2000名近くになりました。そして9,000人以上が負傷、その内200人は爆発により失明しました。セント・ローレンス川が凍結していたためモントリオールからの救助がままならず、鉄道で結ばれていたボストンから直ちに人的・物質的な救助が送られました。今でも毎年ハリファックスから感謝の印としてボストンへ大きなクリスマスツリーが贈られます。
現在、船が流れ着いた場所から住宅街を抜けた丘の上にFort Needham Memorial Parkという記念公園があります。ダウンタウンから歩けない距離では無いものの、なかなか行く機会がありませんでした。バスでも行けますが、今回は車で来ていたので、晴れた朝に行ってきました。メモリアル・パーク内にはBell Towerという鐘の塔があります。


この塔の階段を下った先にある埠頭で大爆発が起こりました。この辺り一帯は吹き飛ばされてしまったそうです。今では閑静な住宅街となっています。
同じくダウンタウンにあるSt. Paul's Church内には、爆発時に刺さった鉄片が今でもそのまま残っています。
