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プリンスエドワード島の四季

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橋の名前 

1997年5月31日に開通したコンフェデレーションブリッジは、プリンスエドワード島と本土(ニューブランズウィック州)を結ぶ12.9キロの橋です。凍結する海の上に架かる橋としては世界最長です。
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橋が架かる前はフェリーが運航されていましたが、かなり不便ではありました。長くて激しい討論の末、1998年に住民投票が行われました。59.4%のアイランダー(島の住民)が橋の建設に賛成、1993年に着工しました。橋の名前は公募され、国内からたくさん寄せられた中から最終的に「Confederation Bridge」、「Abegweit Bridge」そして「Northumberland Strait Bridge」の3つの候補が残りました。最終決定は連邦政府にゆだねられ、「Confederation Bridge」に決定したのです。

Northamberland Straitは橋が架かっている海の海峡の名前です。Abegweitは私のブログ名でもあるのですが、先住民族が呼んでいた島の名前を英国風に綴ったものです。そしてConfederationは1864年にシャーロットタウンで行われたカナダ建国会議に由来しています。橋の名前を決めるにあたっては「歴史的に重要な場所か出来事」「地域とカナダ全体にとって重要な意味を持つこと」「人の名前を付ける場合は故人であること」「平和や友好を意味する言葉なら尚可」などの点が重要視されていたそうで、プリンスエドワード島およびカナダの歴史を語る上では欠かせない「Confederation」が選ばれました。

ただし、これはヨーロッパから移民してきた人々から視た歴史であり、先住民族の歴史が軽視されていました。実際、当時は「Abegweit Bridge」を押す声もすごく高かったそうです。さらに昨年からカナダ国内で同化政策の犠牲になった先住民族の子どもたちの墓標の無い遺骨がたくさん見つかったこともあって、先住民族の地位向上に向けての運動が盛んになっています。そして開通から25周年を迎え、橋の名前を変える動きが出てきたのです。すでにプリンスエドワード島の州議会では「Epekwitk Crossing」に変えるべく連邦政府に呼びかけることを決議しました。Epekwitkはehb-uh-gwidと発音するそうで、先住民族の言葉でこの島のことです。英国風に綴られていたAbegweitは、現在ではEpekwitkと修正されています。

できるだけ簡潔にまとめようと思いながら、長くなってしまいました。私がプリンスエドワード島に移住したころにちょうど橋の建設が始まっていましたが、当時は右も左も分からない状況でしたので、詳しい状況は全く覚えていません。彼に聞くと「Abegweit Bridge」の人気が一番高かったように覚えているとのことで、橋の名前を変更するのは正しい流れではないかと言ってます。私個人としては25年慣れ親しんだ名前なのでニュースを聞いた時はびっくりしましたが、彼に聞いたり詳しい報道を読んでいると、変更に向かっているのも時代の流れなのかと思いました。当時公募したときには「Span of Green Gables」なんて名前もあったそうです。

下の写真は昨日トロントから戻ってきた彼が上空から撮った橋の写真です。橋は普通乗用車で往復50.25ドルです。(プリンスエドワード島から本土に渡る時のみ料金が徴収されます。)橋を渡らずとも橋の写真を撮りに近くまで来る観光客も多いです。
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by abegweit | 2022-05-03 21:23 | Prince Edward Island | Comments(0)