誰かが亡くなった時やお引越しする際に、家財やコレクションなどをまとめて売り払うことがあります。この場合、オークションにかけられることが多いのですが、State Saleといって値段がすでに決まっていることもあります。彼は他のアイランダーに劣らずこのセールが大好きで、この夏もState Saleへ出かけて行きました。そして買ってきたのがブルーウィローのお皿です。
『アンの青春』でアンがジョセフィーンおばさんに借りたものの、デイビーが割ってしまったお皿です。小説では「willow-ware」とありますが、このお皿のことだと思います。グリーンゲイブルズの客間の棚にも飾ってあります。
身分違いの恋に落ちた2人が周囲の反対で悲しい最期をとげ、鳥に生まれ変わって添い遂げるというお話がモチーフになっているそうです。Wikipediaによると、ラフカディオ・ハーンの『青柳の話(The Green Willow)』の影響もあるそうです。白地に青、真ん中に柳(Willow)が描かれているので、一般に「Blue Willow」もしくは「Willow Pattern」と呼ばれています。インターネットでいろいろ読んでみると、実はイギリスでお皿を売るために後付けされた悲恋物語だそうです... 東洋への関心が高まっていた時代でもあり、実際ものすごく人気がありました。すばらしいマーケティングですね。様々なメーカーで作られ、家にあるのは英国のRidgway製でした。
彼はこのお皿に75ドル払いました。アンティークショップではブルーウィローのお皿は珍しくないですし、お店で買っても同じようなお値段だと思います。そこで、あらためて『アンの青春』を読み返してみると、ジョセフィーンおばさんはこのお皿を20ドルで購入したと書いてあります。アンは25ドル払って、同じようなお皿を入手することができました。同じ『アンの青春』の冒頭でアンがジャージー牛を売ったお金が20ドルとなっていました。借りていた大切なお皿を割ってしまったとはいえ、大学への資金も貯めていただろうアンが当時25ドルも払えたことにびっくりです。
アンシリーズではアンが教師としていくらもらっていたかに関しては言及がありません。同じく教師をしているアンの友人が少ないお給料について嘆いているシーンはありました。そこでモンゴメリさんについて調べてみると、最初に教えていたBidefordの給料180ドル(年収だと思います)から100ドルを貯金し、ノバスコシアのダルハウジ大学で一年間学んだそうです。